2025.08.01
履きおろしは靴の誕生日
オーダー靴の納品日は、靴にとってまさに“誕生日”のような特別な日です。
数ヶ月前にご来店いただき、足の採寸をさせていただいてから、採寸表をもとに木型の製作、型紙の作成、さまざまな工程を経て、ようやく納品となります。オーダー靴はご注文いただいてからお渡しまでお時間をいただくのが特徴ですが、そこに“特別感”も生まれます。
履き始めのワンポイントアドバイス
• • 【靴べらは必須】
オーダー靴は無駄なスペースがなく、足にぴったり合うよう作られているため、靴べらなしでは履きにくいもの。靴のためにも、毎回靴べらを使いましょう。
• • 【靴紐はしっかり結んで】
履いた後は必ず靴紐をしっかり結びましょう。普段、靴紐を緩めたまま履いている方も多いと思いますが、きちんと結ぶことで靴本来のサポート力を発揮します。靴紐を解かずに脱ぎ履きする“強者”もいますが、靴の性能は半減してしまいます。
• • 【靴と足の“対話”を楽しむ】
履き始めて感じる違和感や窮屈さは「痛み」ではなく、しっかり足が支えられている証。オーダー靴の多くは“面”で足全体を支えるため、一部だけが痛くなることがありません。これが既製品との大きな違いです。
履きおろしの体感
• • • • • • • • • • • 【姿勢が整う】
立ち上がってみた時、いつもより身長が高くなったように感じるかもしれません。自然と視線も上がり、姿勢が美しく安定している証拠です。かかと重心から足全体の重心へ変化し足環境の変化を感じられるはずです。
• • 【職人と一緒にお散歩】
晴れの日には、納品後に近所をお散歩していただきます。歩きながら踵の抜けや痛みがないかなど、職人が一緒にチェックします。
• • • 【痛みは“合図”】
もし痛みを感じてもご安心ください。痛みは調整のサイン。これまで合わない靴では感じなかった部分が、オーダー靴なら修正可能です。より良いフィット感を追求し、調整を重ねていきます。
〜長い付き合いに向けて〜
納品直後は嬉しくてつい履きすぎてしまう方もいらっしゃいますが、最初は新築の家に引っ越した時のように、徐々に慣れていくのが理想的です。足と靴の関係がしっかり整えば、修理をしながら10年、20年と長く履いていただけます。
オーダー靴の“履きおろし”はゴールではなくスタート。誕生日を迎えたばかりの靴と、一緒に成長していく過程を、ぜひ楽しんでください。
リンゴセイカ店主 安広洋司