2025.12.19

「靴は大は小を兼ねない──“ゆるい靴”が足を壊す理由」

### パンプスと子ども靴、ゆるい靴が足を壊す理由

「少し大きめのほうが楽そう」「子どもはすぐ大きくなるからワンサイズ上で」──靴売り場でよく聞こえてくる言葉です。

けれど足の健康という視点で見ると、靴は「大は小を兼ねない」代表的なアイテムのひとつであり、大きすぎる靴は、実は小さすぎる靴と同じくらい、あるいはそれ以上に足を傷める原因になります。

この記事では、特にトラブルが出やすい「女性のパンプス」と「子どもの靴選び」にフォーカスしながら、「大きめの靴」が何を引き起こすのか、そしてどう選べば足を守れるのかをわかりやすく整理していきます。

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## なぜ“大きめの靴”が危険なのか

大きすぎる靴を履くと、一見「ゆったりしていて楽」に感じることがあります。

しかし、靴の中で足が遊びすぎると、歩くたびに前滑りが起き、かかとは浮き、足指は靴をつかもうとして常に力み続ける状態になります。

その結果、次のようなトラブルが起こりやすくなります。

– 足指の付け根やつま先に体重が集中し、タコや魚の目、巻き爪の原因になる。

– かかとがパカパカして靴擦れを起こしやすくなる。

– 足指で靴をつかむクセがつき、ふくらはぎや足裏が疲れやすくなる。

– 歩き方が不安定になり、姿勢全体にも負担がかかる。

「痛い靴=小さい靴」と思われがちですが、「痛みや疲れの原因が“大きすぎる靴”だった」というケースは少なくありません。

では、具体的にどこに気をつければよいのでしょうか。

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## 女性のパンプス──“ちょいゆる”が一番危ない

### パンプスの前滑りが招く足トラブル

パンプスは、スニーカーと比べて「かかとのホールド」と「前滑り」が起こりやすい構造です。

サイズが大きいパンプスを履くと、歩くたびに足が前へ滑り、つま先側に体重が集中します。すると、指の付け根に負荷がかかり、タコや魚の目、親指が人差し指側に曲がる外反母趾といったトラブルが起きやすくなります。

また、かかとが抜けないように、無意識に足指を曲げて“グッ”と靴をつかむクセがつきます。

その状態が続くと、足指の関節は硬くなり、足裏の筋肉は緊張しっぱなしになり、ふくらはぎまでパンパンに張りやすくなります。

「ゆるいパンプスのほうが楽」と感じているのに、仕事終わりには足がパンパンでヘトヘト、という人は、この負のループにはまっている可能性が高いと言えます。

### パンプスの「ちょうどいい」サイズとは

パンプスの理想的なフィット感は、次の二つを満たしている状態です。

– かかとがしっかりホールドされていて、歩いても抜けないこと。

– つま先には5〜10mmほどのゆとり(“捨て寸”)があり、指が過度に押されていないこと。

ここで重要なのは、「足の長さ(足長)」だけに頼らないことです。

同じ23.5cmでも、足の幅や甲の高さによって、フィットする靴の形やサイズ感はまったく変わります。

本来は、足長とあわせて「足囲(ワイズ)」を測ることで、自分が細身タイプなのか、ゆったりタイプなのかを知るのが理想です。

幅がきついからといって、単純にサイズを上げてしまうと、「長さは余っているのに幅だけが合っている」という状態になり、前滑りとパカパカを招いてしまいます。

### よくある勘違いとサイズ迷子のループ

パンプス選びで見直したい「思い込み」はいくつかあります。

– 「日本人はみんな甲高幅広だから、大きめが安心」という思い込み。

– 「スニーカーが24.0cmだから、パンプスも24.0cmでいいはず」という決めつけ。

– 「指先が当たるのはイヤだから、とりあえずワンサイズ上を選ぶ」という“保険”。

これらはどれも、「ゆるいほうが楽そう」という感覚から来ているものですが、結果的にかかと抜けや前滑りを招き、足に余計な負担をかけてしまいます。

パンプスを選ぶときは、サイズ表の数字だけを見るのではなく、必ず実際に立って、歩いて、かかとのフィット感と前滑りの有無を確認することが大切です。

「脱げないように指で踏ん張らなくていいか」「つま先に圧迫感がないか」を体感でチェックする習慣をつけると、サイズ迷子から抜け出しやすくなります。

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## 子どもの靴──「すぐ大きくなるから」が生むリスク

### ブカブカの靴が成長期の足に与える影響

子どもの靴選びで特に多いのが、「どうせすぐ大きくなるから、少し大きめで」という考え方です。

もちろん、成長が早い時期に毎回ぴったりサイズを買い替えるのは大変ですが、大きすぎる靴には、成長期ならではのリスクがあります。

– 靴の中で足が前後左右に動きすぎると、指が常に踏ん張るため、疲れやすく転びやすい歩き方になりやすい。

– かかとがしっかり支えられないと、重心が不安定になり、O脚・X脚、偏平足などの姿勢トラブルや癖のある歩き方につながるおそれがある。

– 靴の中で足が遊ぶことで、足指が正しく使われず、足のアーチ機能が育ちにくくなる。

子どもの骨や関節は柔らかく、環境の影響を受けやすい時期です。

その時期に「ブカブカの靴」が日常になってしまうと、足の形だけでなく、歩き方や姿勢のクセとして残ってしまう可能性があります。

### 子どもの「ちょうどいい」サイズの目安

子どもの靴にも、「かかとがしっかりホールドされていること」と「つま先に適度なゆとりがあること」が大切です。

ざっくりとした目安としては、以下のポイントが挙げられます。

– 立った状態でつま先を触ったとき、指先と靴の先に5〜10mmほどの余裕がある。

– かかとをトントンと合わせてからベルトや紐を締め、かかと周りが浮かずにフィットしている。

– 歩いたときに、靴の中で足が前後に大きく動いていない。

成長が早い時期は、少なくとも半年に一度は足のサイズを計測し直し、その時々のジャストに近いサイズを選ぶのがおすすめです。

「大きめ1足を長く履かせる」より、「ジャストに近い靴を適宜替える」ほうが、長い目で見て足の健康にもコスト的にもメリットが大きいと考えられます。

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## お店や自宅でできるチェックポイント

最後に、パンプスにも子ども靴にも共通する「試し履きのチェックポイント」を整理します。

– 必ず立った状態でサイズを確認する。座ったままだと足幅や長さが実際より小さく出やすい。

– かかとを靴の奥までトントンと合わせてから、ベルト・紐・ストラップをしっかり締める。

– その状態で数歩〜店内を一周ほど歩き、「かかとが抜けないか」「前滑りしないか」「どこか一点に強い圧迫がないか」をチェックする。

– 夕方など、足が少しむくんだ時間帯にもサイズ感を確認できるとベター。

こうした小さなステップを踏むだけで、「なんとなく大きめ」「楽そうだからゆるいほう」という選び方から、「自分と子どもの足を守る選び方」へと変えていくことができます。

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## 「ちょうどいい」をあきらめない靴選びを

靴は、毎日の体重を支え、行きたい場所へ運んでくれる相棒のような存在です。

その相棒がブカブカで不安定だったら、足は余計な力を使い続け、知らないうちに悲鳴を上げてしまいます。

パンプスでも、子どもの靴でも、「少し大きめだから安心」ではなく、「かかとがしっかり安定して、指先に適度な余裕がある“ちょうどいい”」を探すことが、足を守るいちばんの近道です。

今日選ぶ一足が、数年後の自分と子どもの足の形や歩き方をつくっていく──そんな意識で、ぜひ次の靴選びに向き合ってみてください。

まとめ

「ちょっと大きめのほうが楽そう」「成長期だから、大きめを買っておこう」──誰もが一度はそう考えたことがあると思います。
でも実は、“大きい靴”ほど足に負担をかけ、痛みや変形を引き起こす原因になるのです。

1. 大きめの靴が引き起こすトラブル

ゆるい靴を履くと、足が靴の中で前滑りしたり、かかとが浮いたりします。その結果、

  • 足指が常に力んで“つかむ動作”をしてしまう
  • タコや魚の目、巻き爪ができやすくなる
  • スニーカーでも靴擦れ・疲労感が出る
    こうした症状は「小さい靴」よりもむしろ深刻になることがあります。

2. 正しいサイズとは?

理想的なサイズは、かかとがしっかり固定され、つま先には少し余裕がある状態。
実際には、メーカーやデザインによってサイズ感が違うため、試着時に立って重心をかけて確認することが大切です。特に革靴やパンプスでは、指先のフィット感と甲の安定感が重要です。

3. 大きめを買いたくなる心理

「痛い靴が嫌だから」「脱ぎ履きしやすいから」などの理由で、つい大きい方を選びがちですが、それは“楽そうな錯覚”。
本当に快適なのは、足と靴が一体となるフィット感です。

4. 足を守るためにできること

  • 専門店で足のサイズと幅を正確に測る
  • インソールや調整パッドを正しく使う
  • 夕方など、足がむくんだ時間帯に試着する
  • 定期的にサイズを測り直す(年齢や体重変化で足は変わります)

靴は「少し大きめ」でなく、「ちょうどいい」を探すべきもの。
足を包み、支える道具として、正しいサイズ選びが毎日の快適さと健康を守ります。

 

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